多田労務管理事務所 西新宿の社労士事務所

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法律トピックス

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基本手当の支給に係る取扱いが一部変更されました!

 

失業し、所定の要件を満たす労働者には、雇用保険から基本手当が支給されます。

雇用保険法等の改正により、この基本手当の支給に関する取扱いが一部、変更されました。

 

1、改正の概要

 

(1)被保険者期間の算定方法の変更

勤務日数が少ない者でも適切に雇用保険の給付を受けられるよう、被保険者期間の算定に当たり、これまでの日数による基準に加え、労働時間による基準が補完的に設定されました。

 

(2)離職理由による給付制限期間の短縮

正当な理由がない自己の都合により離職した場合の給付制限期間が、2か月に短縮されました。

 

2、被保険者期間の算定方法の変更(令和2年8月1日施行)

 

(1)基本手当の支給要件

基本手当の支給を受けるためには、原則として、離職をした日以前の2年間に、「被保険者期間」が通算して12か月以上あること(特定受給資格者または特定理由離職者は、離職の日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あることでも可)が必要です。

 

(2)被保険者期間の計算

被保険者として雇用された期間を、資格の喪失の日の前日からさかのぼって1か月ごとに区切っていき、この区切られた1か月の期間に賃金の支払い基礎となった日数(賃金支払基礎日数)が11日以上ある場合に、その1か月の期間を被保険者期間の1か月として計算します。

また、このように区切ることにより1か月未満の期間が生ずることがありますが、その1か月未満の期間の日数が15日以上あり、かつ、その期間内に賃金支払基礎日数が11日以上ある場合に、その期間を被保険者期間の2分の1か月として計算します。

 

(3)労働時間による基準

前記(2)の被保険者期間の算定方法では、雇用保険の被保険者となる要件(1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、31日以上雇用される見込みがあること)を満たしながらも、賃金支払基礎日数が11日に満たないことにより、被保険者期間に算入されない期間が生ずることがあるため、新たに労働時間による基準が追加されました。

 

離職日以前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月に満たない場合は、前記(2)と同様に、資格の喪失の日の前日からさかのぼって1か月ごと区切られた各期間のうち、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上であるものを1か月(1か月未満15日以上の期間にあっては、2分の1か月)として計算します。

 

(4)留意点その他

・労働時間による基準は、離職日が令和2年8月1日以降である場合に適用されます。

・離職日が令和2年8月1日以降の労働者に関して「離職証明書」を作成する際は、賃金支払基礎日数が10日以下の期間については、所定の欄に、当該期間における賃金の支払いの基礎となった労働時間数を記載する必要があります。

・高年齢求職者給付金または特例一時金の支給に係る被保険者期間や、介護休業給付金または育児休業給付金の支給に係るみなし被保険者期間の計算についても、同様に、労働時間による基準が適用されます。

 

3、離職理由による給付制限期間の短縮(令和2年10月1日施行)

 

(1)離職理由による給付制限

次のいずれかに該当する場合には、待期満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当が支給されません。

①被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合

②正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合

 

(2)給付制限期間の短縮

この場合の給付制限期間は、原則として、「3か月」とされています。

これに対して、正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合(前記(1)②の場合)の給付制限期間が、5年間のうち2回までは、「2か月」となります。

 

(3)留意点その他

・給付制限期間が2か月となりうるのは、令和2年10月1日以降に離職した者に限られます。令和2年9月30日までに離職した者の給付制限期間は、従来どおり、3か月です。

・給付制限期間が2か月となりうるのは、正当な理由がなく自己の都合によって退職した者(前記(1)②に該当する者)に限られます。自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された者(前記(1)①に該当する者)の給付制限期間は、従来どおり、3か月です。

・5年間に2回以上の自己の都合による退職をしている者の給付制限期間は、3か月となります。3回目以降の退職にあたっては、その退職からさかのぼって5年間に2回以上の自己の都合による退職があるかの確認が行われます。

・令和2年9月30日以前の自己の都合による退職は、令和2年10月1日以降の退職に係る給付制限期間に影響しません。

複数事業労働者に対する労災保険給付が変わります!

 

令和2年9月1日施行の労働者災害補償保険法の改正により、複数事業労働者に対する労災保険の保険給付について、複数の就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定や給付の対象範囲の拡充等の見直しが行われました。

 

1、「複数事業労働者」とは?

 

事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(複数の会社等に雇用されている労働者)のことを、「複数事業労働者」といいます。

 

令和2年9月1日以降に、けがをしたり、病気になったりした労働者や、死亡した労働者の遺族が、今回の改正事項の対象となります。

また、原則として、けがをしたときや病気になった時点で、複数の会社で働いている労働者が対象となります。

ただし、けがをしたときや病気になったときなどに一つの会社等でのみ雇用されている労働者やすべての会社等を退職している労働者であっても、そのけがや病気などの原因・要因となるもの(長時間労働、強いストレスなど)が、二つ以上の会社等で雇用されている際に存在していたものときは、対象となります。

 

2、改正の概要

 

複数事業労働者に対する保険給付について、次のような拡充が図られています。

(1)給付基礎日額の算定方法の特例

複数事業労働者については、すべての就業先での給付基礎日額を合算した額を基礎に給付額等が決定されることとなりました。

 

(2)新たな保険給付の創設

複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(複数業務要因災害)に関する保険給付が創設されました。

 

3、給付基礎日額の算定方法の特例

 

労災保険では、療養補償給付、介護補償給付、二次健康診断等給付などの一定の保険給付を除き、被災労働者の給付基礎日額によって具体的な保険給付の額が算出されます。

 

給付基礎日額とは、原則として、労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。

この給付基礎日額の算定に当たり、これまでは、災害が発生した就業先の賃金額のみがその基礎とされていました。

この点に関し、複数事業労働者については、当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を給付基礎日額とすることとなりました。

 

例えば、A会社(給付基礎日額10,000円)とB会社(給付基礎日額5,000円)で働いている労働者が、B会社において業務上負傷し、休業した場合には、これまでは、B会社の給付基礎日額5,000円を基礎として、休業補償給付などが行われていました。

今後は、A会社とB会社の給付基礎日額を合算した15,000円(=10,000円+5,000円)を基礎として、休業補償給付が行われることとなります。

 

4、複数事業労働者に対する新たな保険給付の創設

 

(1)複数業務要因災害に関する保険給付

労災保険においては、これまで、①業務災害に関する保険給付及び②通勤災害に関する保険給付を行っていましたが、これらに加えて、③複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(これを「複数業務要因災害」といいます。)に関する保険給付を行うこととされました。

これにより、脳血管疾患・虚血性心疾患や精神障害などに関する労災認定にあたっては、すべての就業先の負荷(労働時間やストレス等)を総合的に評価して判断されることとなります。

 

例えば、A会社とB会社で働いている労働者が脳血管疾患を発症した場合において、これまでは、A会社とB会社それぞれにおける負荷を個別に評価して、労災認定するかどうかが判断されていました。

今後は、それぞれの会社の負荷を個別に評価して労災認定できない場合には、両社の負荷を総合的に評価して、労災認定するかどうかが判断されることとなります。

 

(2)保険給付の種類

複数業務要因災害に関する保険給付としては、次の保険給付が行われます。

その内容は、これまでの業務災害または通勤災害に関する各保険給付に準ずるものとなっています。

①複数事業労働者療養給付(療養補償給付、療養給付に相当する給付)

②複数事業労働者休業給付(休業補償給付、休業給付に相当する給付)

③複数事業労働者障害給付(障害補償給付、障害給付に相当する給付)

④複数事業労働者遺族給付(遺族補償給付、遺族給付に相当する給付)

⑤複数事業労働者葬祭給付(葬祭料、総裁給付に相当する給付)

⑥複数事業労働者傷病年金(傷病補償年金、傷病年金に相当する給付)

⑦複数事業労働者介護給付(介護保障給付、介護給付に相当する給付)

厚生年金保険料等の標準報酬月額の特例改定について

 

新型コロナウイルス感染症の影響による休業により報酬が著しく下がった被保険者であって、一定の条件に該当するものについて、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定によらず、翌月からの改定を可能とする特例が設けられています。

 

1、特例改定の対象者

 

次のすべてに該当する被保険者が、この特例による改定(特例改定)の対象となります。

(1)新型コロナウイルス感染症の影響による 休業 があったことにより、令和2年4月から7月までの間に、報酬が著しく低下した月(急減月)が生じたこと

休業とは、労働者が事業所において、労働契約、就業規則、労働協約等で定められた所定労働日に労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、当該所定労働日の全1日にわたり労働することができない状態または当該所定労働日の労働時間内において1時間以上労働することができない状態をいいます。

たとえば、①事業主からの休業命令や自宅待機指示などにより休業状態にあった者(1か月のうちに1時間でも休業のあった者)や、②日給や時間給の者であって、事業主からの命令や指示等により、通常の勤務やシフトによる日数や時間を短縮し、短時間休業が行われることとなったものが対象となりえます。

一方、休業を伴わずに報酬が低下した場合(テレワークの実施により残業時間が減少し、報酬が低下した場合等)や、休業が新型コロナウイルス感染症の影響によるものでない場合などは、特例改定の対象となりません。

 

(2)著しく報酬が低下した月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、すでに設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がったこと

①通常の随時改定の場合とは異なり、急減月に固定的賃金(日給等の単価)の変動があったか否かは問われません。

②事業主からの休業命令や自宅待機指示などがあり、その間、使用関係が継続していれば、賃金の支払い状況にかかわらず、休業した日を報酬支払基礎日数として取り扱って差し支えないものとされています。そのうえでも、休業のあった月とその前2か月のいずれか1月でも報酬払基礎日数が17日未満(または11日未満)となる場合は、特例改定の対象となりません。

③急減月に、報酬が何ら支払われていない者については、第1級の標準報酬月額として取り扱われます。なお、報酬には、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金は含みません。

④被保険者期間が急減月を含めて3か月未満の者については、特例改定の要件となる被保険者期間を満たさないため、特例改定の対象とはなりません。

 

(3)特例改定を行うことについて、本人が書面で同意していること

①改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含めて、被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となります。

②同一の被保険者について複数回、特例改定の申請を行うことはできません。

 

2、減額の対象となる保険料

 

令和2年4月から7月までの間に休業により報酬等が急減した場合が特例改定の対象ですので、その翌月の令和2年5月から8月分の保険料が減額の対象となります。

 

3、申請手続等

 

特定改定の適用を受けようとする場合には、事業主は、月額変更届(特例改定用)に申立書を添付し、管轄の年金事務所に申請します。

届書及び申請書は、日本年金機構のホームページからダウンロードすることができます。

申請期限は、令和3年1月末日です。

それまでの間は遡及しての適用が可能ですが、事務の複雑化や年末調整等への影響を最小限とするためにも、できるだけ速やかな申請が望まれます。

また、申請により保険料が遡及して減額される場合には、被保険者へ適切に保険料を返還する必要があります。

 

4、特例改定後の対応等

 

(1)特例改定を受けた者に係る定時決定

5月・6月に特例改定が行われた者については、定時決定を行う必要があります。

一方、7月・8月に特例改定が行われた者については、定時決定を行う必要はありません。

 

(2)休業が回復した場合の取り扱い

特例改定後に、昇給など固定的賃金の変動により随時改定の要件に該当することとなった場合には、通常の随時改定の届出が必要となります。

なお、定時決定が行われない7月分または8月分保険料から本特例による改定が行われた者については、休業が回復した月から継続した3か月間の報酬による標準報酬月額が2等級以上上昇する場合には、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、月額変更届の届出が必要となります。

(3)通常の定時決定や随時改定について

通常の定時決定や随時改定の対象者の要件や手続方法に変更はありません。

従来どおり、休業中で給与等の支給がない日は報酬支払基礎日数に含まれず、また、固定的賃金の変動があった場合のみが随時改定の対象となります。

新型コロナウイルス感染症の影響よる年度更新期間の延長と労働保険料の納付猶予制度

 

新型コロナウイスル感染症の影響を踏まえ、令和2年度の労働保険の年度更新期間が延長されています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により労働保険料等を納付することが困難となった事業主の方々については、申請により、その納付が猶予されることがあります。

 

1、年度更新期間の延長

 

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、令和2年度の労働保険の年度更新期間が、「令和2年6月1日~7月10日」から「令和2年6月1日~8月31日」に延長されました。

これにより、令和2年度の労働保険料及び一般拠出金の概算保険料及び確定保険料に係る申告書の提出及び納付の期限が、令和2年8月31日となりました。

また、口座振替により労働保険料を納付している場合の全期及び第1期の口座振替納付日も、「令和2年9月7日」から「令和2年10月13日」に変更されました。

なお、延納(分割納付)をしている場合の第2期以降の納期限は、従来どおりです。

 

2、労働保険料等の納付猶予制度

 

労働保険料等については、次のような納付を猶予する制度があります。

これらの納付猶予制度の適用を受けようとする場合には、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局に、所定の申請書等を提出します(郵送や電子申請も可能)。

 

(1)労働保険料等の納付猶予の特例

次の要件に該当することとなった事業主については、申請により、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する労働保険料等の納付が、1年間猶予されます。

新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業に係る収入が前年同期に比べておおむね20%以上減少していること

②前記①により、一時に納付を行うことが困難であること

 

令和2年度の全期または第1期分について、特例の適用を希望する場合には、年度更新期間延長後の令和2年8月31日までに申請をする必要があります。

 

(2)災害による納付の猶予

事業主が、災害により、全積極財産(負債を除く資産)のおおむね 20%以上に損失を受けた場合には、申請により、労働保険料等の納付が猶予されます。

例えば、事業主本人や家族、労働者等が新型コロナウイルス感染症に罹患したため、消毒作業等により財産(棚卸資産を含む。)に相当の損害を受けた場合等は、これに該当する可能性があります。

災害による納付の猶予を受けることができる期間は、1年の範囲内で、被害のあった財産の損失の状況及び財産の種類を勘案して決定されます。

猶予期間の延長はありませんが、猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、次の「通常の場合の納付の猶予」を申請することにより、災害による納付の猶予期間と合わせて最長3年以内の範囲で延長が認められる場合があります。

 

災害による納付の猶予の対象となる労働保険料等は、損失を受けた日以後1年以内に納付するもの(その納期限が、その損失を受けた日以後に到来するもの)に限られます。

災害による納付の猶予に係る申請期限は、災害がやんだ日から2か月以内です。

 

(3)通常の場合の納付の猶予

前記(1)及び(2)の納付の猶予を受けることができない事業主であっても次の要件に該当するときは、労働保険料等の納付が猶予されます。

例えば、新型コロナウイルス感染症の発生に伴う各種イベントの中止・延期、観光客等の急減等により、売上が著しく低下した場合等は、これに該当する可能性があります。

①次のいずれかに該当する事実があること

・財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にあったこと

・事業主又はその生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと

・事業を廃止し、又は休業したこと

・その事業につき著しい損失を受けたこと(申請前の1年間において、その前年の利益額の2分の1を超える損失(赤字)を生じた場合)

・上記に類する事実があった場合

②前記①の該当事実により、納付すべき労働保険料等を一時に納付することができないと認められること

③原則として、猶予を受けようとする労働保険料等の金額に相当する担保の提供があること(猶予に係る金額が100万円以下である場合、猶予期間が3か月以内である場合、担保として提供することができる財産がない場合は不要)

納付の猶予を受けることができる期間は、1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く労働保険料等を完納することができると認められる期間に限られます。

なお、猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は 申請することにより、当初の猶予期間と合わせて最長2年以内の範囲で猶予期間の延長が認められることがあります。

 

通常の場合の納付の猶予については、特に申請期限は設けられていませんが、猶予に該当する事実発生後、猶予を受けようとする期間より前に申請をする必要があります。

 

 

新型コロナウイルス感染症の影響よる厚生年金保険料等の納付猶予の特例

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、事業等に係る収入に相当の減少があった事業主の方について、厚生年金保険料等の納付を1年間猶予することができることとなりました。

この納付猶予の特例が適用された場合には、担保の提供が不要となり、延滞金もかからなくなります。

 

1、納付猶予の特例の適用要件

 

次の(1)から(4)に掲げる要件のすべてに該当する場合には、厚生年金保険料等の納付猶予の特例の適用を受けることができます。

(1)令和2年2月1日以後に適用事業所の事業につき相当な収入の減少(前年同期に比べておおむね20%以上の減少)があったこと

「事業につき相当な収入の減少」とは、令和2年2月1日から猶予を受けようとする保険料等の指定期限までの間の任意の期間(1か月以上。以下「調査期間」という。)の収入金額につき、その調査期間の直前1年間における調査期間に対応する期間(※1)の収入金額(※2)に対して、おおむね20%(※3)以上減少していると認められることをいいます。

 

(※1)調査期間に対応する期間がない場合は、その期間に近接する期間その他調査期間の収入金額と比較する期間として適当と認められる期間となります。

(※2)調査期間に対応する期間の収入金額が不明な場合は、調査期間の直前1年間の収入金額を12で割り、これを割り当てる方法その他適当な方法により算定した金額となります。

(※3)現に収入の減少が20%に満たないことのみをもって、一概に納付猶予の特例の適用が否定されるわけではなく、個々の適用事業所の状況を十分に聴取し、今後さらに減少率が悪化することが見込まれるなどによりおおむね20%以上減少していると認められるかどうかをみて、猶予を適用することが相当であるかが判断されます。

 

(2)その相当な収入の減少等が、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響によるものであること

新型コロナウイルス感染症の影響によるイベント開催又は外出等の自粛要請、入国制限、その他の理由で収入が減少していることが要件となります。

「海外からの材料の輸入停止」のような直接的な影響によるもののほか、間接的な影響によるものも広く含まれます。

 

(3)一時に納付することが困難であると認められる保険料等があること

「一時に納付が困難」とは、納付すべき保険料等を一時に納付する資金がないこと、又は納付すべき保険料等を事業の継続のために必要な少なくとも今後6か月間の運転資金に充てた場合に保険料等を納付する資金がないことをいいます。

 

(4)指定期限内に申請がされたこと(やむを得ない理由がある場合を除く。)

納付猶予の特例の申請は、後述の「指定期限」までに提出する必要があります。

 

2、対象となる厚生年金保険料等

 

令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する厚生年金保険料等が、この納付猶予の特例の対象となります。

令和2年2月1日から令和2年4月30日(特例施行日)までの間に納期限が到来している厚生年金保険料等(令和2年1月分から3月分)は、令和2年6月30日までの申請により、遡って特例の適用を受けることができます。

 

3、猶予期間

 

この納付猶予の特例により、納付の猶予を受けることができる期間は、猶予を受ける保険料等ごとに納期限の翌日から1年間です。

 

4、申請手続

 

(1)申請書の提出

「納付の猶予(特例)申請書」を管轄の年金事務所に提出します(郵送での申請も可)。

申請書は、日本年金機構のホームページからダウンロードすることができます。

根拠となる書類の準備が難しい場合は、まずは、申請書のみを提出することでも差し支えないようです。

また、国税、地方税、労働保険料等の納付猶予の特例が許可された場合は、その際の申請書と許可通知書の写しを併せて提出することで、申請書の一部記載を省略することができます。

 

(2)申請期限

納付猶予の特例の申請は、指定期限までに行う必要があります。

この指定期限は、毎月の納期限からおおよそ25日後になります。

月々の指定期限は、納期限までに保険料等の納付がない場合に送付される「督促状」に記載されます。

なお、やむを得ない理由があって指定期限内の申請が困難な場合は、指定期限後の申請が認められることがあります。

やむをえない理由がある場合には、事業所の事業について新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことに伴う貸付けを受けるための手続を行っていたこと等により、猶予申請ができなかった場合などが該当します。