多田労務管理事務所 西新宿の社労士事務所

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法律トピックス

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確定拠出年金の加入可能年齢が引き上げられました!

 

長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るための年金制度の機能強化の一環として、

確定拠出年金法の改正が行われ、2020(令和2)年6月から順次、施行されています。

この改正法の施行は2024(令和6)年12月まで続きますが、今回は、

2022(令和4)年4月及び5月施行分について、概要のみを簡単にご紹介します。

 

1、受給開始時期の選択肢の拡大【2022(令和4)年4月1日施行】

 

公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて、確定拠出年金における老齢給付金の受給開始の上限年齢が

70歳から75歳に引き上げられました。

これにより、確定拠出年金における老齢給付金は、60歳(加入者資格喪失後)から75歳に達するまでの間で

受給開始時期を選択することができるようになりました。

ただし、この上限年齢の引上げの対象となるのは、1952(昭和27)年4月2日以降に生まれた者に限られます。

 

2、確定拠出年金の加入可能年齢の拡大【2022年5月1日施行】

 

(1)企業型確定拠出年金(企業型DC)

従来、企業型DCでは、60歳未満の厚生年金被保険者を加入者とすることができました。

また、規約に定めがある場合には、60歳前と同一事業所で引き続き使用される厚生年金被保険者について

65歳未満の規約で定める年齢まで加入者とすることができました。

今回の改正により、厚生年金被保険者(70歳未満)であれば、同一事業所で引き続き使用される者に限らず、

加入者とすることができるようになり、企業の高齢者雇用の状況に応じたより柔軟な制度運営が可能となりました。

ただし、加入できる年齢などは、規約で定められることになりますので、企業によって異なります。

 

(2)個人型確定拠出年金(iDeCo)

従来、iDeCoでは、60歳未満の国民年金被保険者が加入することができました。

高齢期の就労が拡大していることを踏まえ、今回の改正により、国民年金被保険者であれば

加入することができるようになりました。

これにより、60歳以上であっても、国民年金の第2号被保険者又は国民年金の任意加入被保険者であれば

iDeCoに加入することができるようになったわけです。

また、これまで海外居住者はiDeCoに加入することができませんでしたが、国民年金に任意加入していれば

iDeCoに加入することができるようになりました。

 

・国民年金の第1号・3号被保険者は60歳に達した日に加入者の資格を喪失します。

施行日(2022年5月1日)以降に国民年金の任意加入被保険者となり、iDeCoに加入するには、

受付金融機関(運営管理機関)に手続きをする必要があります。

・国民年金の第2号被保険者であって、1962(昭和37)年5月1日以前に生まれた者は、

施行日前に60歳に達しているため、60歳に達した日に加入者の資格を喪失します。

施行日以降にiDeCoの加入者となるには、受付金融機関(運営管理機関)に手続きする必要があります。

・国民年金の第2号被保険者であって、1962(昭和37)年5月2日以降に生まれた者は、

60歳に達したときには、加入可能年齢が引き上がっているため、引き続き加入者となります。

掛金の拠出を停止したいときは、受付金融機関(運営管理機関)に運用指図者となる手続きをする必要があります。

 

3、脱退一時金の受給要件の見直し【2022年5月1日施行】

 

(1)企業型DCの脱退一時金の受給要件の見直し

これまで、企業型DCの中途引き出し(脱退一時金の受給)が例外的に認められていたのは、

個人別管理資産の額が1.5万円以下である者に限られていました。

そのうえで、個人別管理資産の額が1.5万円を超える者は、他の企業型DCやiDeCoなどに資産を移換する必要があり、

iDeCoに資産を移換し、iDeCoの脱退一時金の受給要件を満たしていれば、iDeCoの脱退一時金の受給が

可能でした。

今回の改正により、個人別管理資産の額が1.5万円を超える者であっても、iDeCoの脱退一時金の受給要件を

満たしていれば、iDeCoに資産を移換しなくても、企業型DCの脱退一時金を受給できるようになりました。

 

(2)iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直し

これまで、iDeCoの中途引き出し(=脱退一時金の受給)が例外的に認められていたのは、

国民年金の保険料免除者である者に限られていました。

また、iDeCo加入者が海外に居住して国民年金被保険者(第1号・2号・3号)に該当しなくなった場合は、

iDeCoに加入することもできず、保険料免除者に該当することはなく、中途引き出しもできませんでした。

今回の改正により、国民年金被保険者となることができない者で、通算の掛金拠出期間が短いことや、

資産額が少額であることなどの一定の要件を満たす場合は、iDeCoの脱退一時金を受給できるようになりました。

 

4、制度間の年金資産の移換(ポータビリティ)の改善【2022年5月1日施行】

 

これまでも順次、個人の転職等の際の制度間の資産移換が可能となってきていましたが、

今回の改正により、「終了した確定給付企業年金(DB)からiDeCoへの年金資産の移換」と、

「加入者の退職等に伴う企業型DCから通算企業年金への年金資産の移換」が可能となりました。

子育てサポート企業に対する「くるみん認定」の認定基準が引き上げられます!

 

令和4年4月1日施行の次世代育成支援対策推進法施行規則の改正により、同法に基づく認定

(いわゆる「くるみん認定」)の認定基準が引き上げられました。

これに伴い新たな認定制度が創設されるほか、不妊治療と仕事との両立に取り組む企業を認定する

「プラス」制度が新設され、認定マークも新しくなります。

 

1、次世代育成支援対策推進法に基づく認定~「くるみん認定」について

 

「次世代育成支援対策推進法」は、常時雇用する労働者が101人以上の企業に、労働者の仕事と子育てに関する

「一般事業主行動計画」の策定等を行うことを義務づけています(100人以下の企業では努力義務)。

策定した「一般事業主行動計画」に定めた目標を達成したことなどの一定の基準を満たした企業は、

申請することにより、厚生労働大臣の認定を受けることができます。

この認定を受けると、認定マークを商品や広告、企業のウェブサイトなどに使用することができるようになり、

子育てサポート企業であること等のアピールや企業イメージの向上なども期待することができます。

 

2、「くるみん認定」及び「プラチナくるみん認定」の認定基準の改正

 

(1)「くるみん認定」の認定基準の引上げ等

「くるみん認定」は、一定の要件を満たした企業が、子育てサポート企業として受けることができる

認定制度です。

この認定基準について、次のような改正が行われました。

①男性の育児休業等の取得に関し、次のいずれかを満たしていることとする。

・男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が10%(従来は7%)以上であること。

・育児休業等を取得した者及び企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、

合わせて20%(従来は15%)以上であり、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。

②男女の育児休業等取得率等を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表することとする。

 

また、くるみん認定を受けた企業が使用することができる「くるみんマーク」が、

今回の認定基準の引上げに伴い新しくなります。新しいマークは、令和4年4月1日以降に、

新基準の下で認定を受けた企業に付与されます。

 

(2)「プラチナくるみん認定」の認定基準の引上げ

「プラチナくるみん認定」は、くるみん認定を受けた企業が、より高い水準の取り組みを行い、

一定の要件を満たした場合に受けることができる認定制度です。

この認定基準についても、次のような改正が行われました。

①男性の育児休業等の取得に関し、次のいずれかを満たしていることとする。

・男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が30%(従来は13%)以上であること。

・育児休業等を取得した者及び企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、

合わせて50%(従来は30%)以上であり、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。

②女性の継続就業に関し、出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、

子の1歳時点在職者割合が70%(従来は55%)以上であることとする。

 

プラチナくるみん認定を受けた企業に付与される「プラチナくるみんマーク」の変更はありません。

なお、プラチナくるみんを取得した企業は、その後の行動計画の策定・届出の代わりに

「次世代育成支援対策の実施状況」について毎年少なくとも1回、公表日の前事業年度の状況を

「両立支援のひろば」で公表する必要があります。

 

3、新たな認定制度「トライくるみん」の創設

 

前記2のくるみん認定及びプラチナくるみん認定の認定基準の引上げを踏まえ、新たな認定制度

「トライくるみん」が新設されました。

トライくるみん認定の認定基準は、従来のくるみん認定のものと同様です。

この認定を受けたときは、「トライくるみんマーク」が付与されます。

トライくるみん認定を受けていれば、くるみん認定を受けていなくても、直接プラチナくるみん認定の

申請をすることができます。

 

なお、前記2及び3の認定基準については、労働者数300人以下企業の特例があります。

 

4、不妊治療と仕事との両立がしやすい環境整備に取り組む企業を認定する制度の新設

 

「くるみん」「プラチナくるみん」「トライくるみん」の一類型として、不妊治療と仕事を両立しやすい

職場環境整備に取り組む企業の認定制度「プラス」 が創設されました。

この認定基準には、①不妊治療のための休暇制度、又は不妊治療のために利用することができる

半日単位・時間単位の年次有給休暇、所定外労働の制限時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務

又はテレワークのうちいずれかの制度を設けていること、②不妊治療と仕事との両立に関する方針を示し、

講じている措置の内容とともに社内に周知していること等があります。

「くるみん」等の認定企業が不妊治療と仕事との両立にも取り組むものとして認定を受けたときは、

それぞれの「プラスマーク」が付与されます。

年金制度の改正について

 

今後、人手不足が進行するとともに、健康寿命が延伸し、中長期的には現役世代の人口の急速な減少が

見込まれる中で、特に高齢者や女性の就業が進み、より多くの人がこれまでよりも長い期間にわたり、

多様な形で働くようになることが見込まれています。

このような社会・経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、

現在、段階的に、国民年金法及び厚生年金保険法などの改正が行われています。

令和4年4月1日からは、①在職中の年金受給の在り方の見直し、②受給開始時期の選択肢の拡大等に

関する部分が施行されます。

 

1、年金制度に関する主な改正の概要(令和4年4月1日施行分)

 

(1)在職中の年金受給の在り方の見直し(厚生年金保険法)

①高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金の受給権者(65歳以上)の年金額を

毎年、定時に改定する仕組みが導入されます。

60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、

支給停止とならない範囲が拡大されます。

 

(2)受給開始時期の選択肢の拡大(国民年金法、厚生年金保険法等)

現在60歳から70歳の間となっている年金の受給開始時期の選択肢が、60歳から75歳の間に拡大されます。

 

2、在職中の年金受給の在り方の見直し

 

(1)在職定時改定の導入

在職定時改定は、65歳以上の在職中の老齢厚生年金の受給権者について、年金額を毎年10月に改定し、

それまでに納めた保険料を年金額に反映する仕組みです。

これまでは、退職等により厚生年金保険の被保険者の資格を喪失するまでは、

老齢厚生年金の額は改定されませんでしたが、在職定時改定の導入により、就労を継続したことの効果が、

退職を待つことなく、早期に年金額に反映されることとなります。

 

具体的には、老齢厚生年金の受給権者が毎年9月1日(基準日)において被保険者である場合

(基準日に被保険者の資格を取得した場合を除く。)には、基準日の属する月前(8月まで)の

被保険者であった期間をその計算の基礎として、基準日の属する月の翌月(10月)から、

老齢厚生年金の額が改定されます。

また、基準日が被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの間に到来し、

かつ、当該被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの期間が

1か月以内である場合(退職時改定の対象とならない場合)にも、同様に、老齢厚生年金の額が改定されます。

 

(2)在職老齢年金制度の見直し

在職老齢年金制度は、就労し、賃金と年金の合計額が一定以上になる60歳以上の老齢厚生年金の受給権者を

対象として、老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する仕組みです。

今回の改正により、60~64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、

年金の支給が停止される基準が支給停止調整開始額(令和3年度価額:28万円)から支給停止調整額

(令和3年度及び4年度価額:47万円)に緩和されます。

これにより、令和4年度以降は、65歳以上に支給される老齢厚生年金と同様に、総報酬月額相当額(賃金)と

基本月額(年金月額)の合計額が支給停止調整額を超える場合に、その超える額の2分の1に相当する部分の

支給が停止されることとなります(賃金と年金月額の合計額が28万円から47万円の方については、

老齢厚生年金の支給が停止されなくなります。)。

 

3、老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給開始時期の選択肢の拡大

 

(1)受給開始時期の選択

老齢基礎年金及び老齢厚生年金は、原則として、65歳から受け取ることができますが、希望すれば、

65歳より早く受け取り始める(支給を繰り上げる)ことや、65歳より遅く受け取り始める

(支給を繰り下げる)ことができます。

支給を繰り上げた場合には一定の減額率で減額された年金を、支給を繰り下げた場合には一定の増額率で

増額された年金を、それぞれ生涯を通じて受け取ることができます。

 

(2)支給繰下げに関する上限年齢の引上げ

今回の改正により、65歳より遅く受け取り始める(支給を繰り下げる)場合の上限年齢が、70歳から75歳に

引き上げられます。増額率は、これまでと同様、1か月当たり0.7%ですから、最大で84%となります。

なお、この上限年齢の引上げの対象となるのは、令和4年4月1日以降に70歳に到達する方

(昭和27年4月2日以降に生まれた方)です。

 

(3)支給繰上げに関する減額率の引下げ

今回の改正により、65歳より早く受け取り始める(支給を繰り上げる)場合の減額率が、0.5%から0.4%に

引き下げられます。支給繰下げの請求をするこができるのは、60歳以上65歳未満の方ですので、

減額率は、最大で24%となります。

なお、この減額率の引下げの対象となるのは、令和4年4月1日以降に60歳に到達する方

(昭和37年4月2日以後生まれの方)です。昭和37年4月1日以前生まれの方については、

これまでの減額率(1か月当たり0.5%、最大30%)が適用されます。

育児・介護休業法が改正されます!

 

出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法(略称:育児・介護休業法)が改正され、令和4年4月1日から順次、施行されます。今回は、令和4年4月1日施行分を中心に、その内容をお知らせします。

 

1、改正の概要

 

今回の改正においては、次のような措置が講ぜられました。

【令和4年4月1日施行分】

・育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する

個別の周知・意向確認の措置の義務づけ

有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件の緩和

【令和4年10月1日施行分】

男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設

(出生時育児休業(通称:産後パパ育休))

育児休業の分割取得

【令和5年4月1日施行分】

・育児休業の取得の状況の公表の義務づけ

 

2、育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置

 

事業主は、育児休業の申出が円滑に行われるようにするため、次のいずれかの措置を

講じなければなりません。複数の措置を講じることが望ましいものとされています。

(1)その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施

その雇用するすべての労働者に対して研修を実施することが望ましいですが、

少なくとも管理職の者については研修を受けたことのある状態にすべきものとされています。

(2)育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口や相談対応者の設置)

実質的な対応が可能な窓口を設け、労働者に対してこれを周知すること等により、

労働者が利用しやすい体制を整備しておくことが必要です。

(3)その雇用する労働者の育児休業の取得に関する事例の収集及びその雇用する労働者に対する

当該事例の提供(事例の掲載された書類の配付やイントラネットへの掲載等)

特定の性別や職種、雇用形態等に偏らせず、可能な限り様々な労働者の事例を収集して提供することにより、

特定の者の育児休業の申出を控えさせることにつながらないように配慮してください。

(4)その雇用する労働者に対する育児休業に関する制度及び育児休業の取得の促進に関する方針の周知

(方針を記載したものの配付や事業所内やイントラネットへ掲載等)

 

3、妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

 

事業主は、本人又は配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、育児休業制度等の

所定の事項を周知するとともに、休業の取得意向を個別に確認しなければなりません。

(1)周知事項

周知事項には、①育児休業に関する制度、②育児休業申出の申出先、③育児休業給付に関すること、

④労働者が育児休業期間について負担すべき社会保険料の取扱いがあります。

(2)個別の周知・意向確認の方法

個別の周知及び意向の確認は、①面談(オンラインによるものを含む。)、②書面交付の方法によるほか、

労働者が希望した場合には、③ファクシミリを利用しての送信、④電子メール等の送信の方法に

よることも可能とされています。

 

4、有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件の緩和

 

(1)有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件

これまで、有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件の一つとして、

「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることが規定されていましたが、

この要件が削除されます。

これにより、次に掲げる日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、

更新後のもの)が満了することが明らかでない有期雇用労働者は、事業主に引き続き雇用された

期間にかかわらず、育児休業及び介護休業の申出をすることができるようになります。

育児休業:その養育する子が1歳6か月に達する日

介護休業:介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日

(2)労使協定の締結

今回の改正により、引き続き雇用されていた期間が1年未満の有期雇用労働者についても、

育児休業・介護休業の申出の権利が付与されましたが、これまでと同様に、労使協定を

締結した場合には、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者から

育児休業・介護休業の申出を拒むことができます。

すでに締結している労使協定において、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者からの

育児休業・介護休業の申出を拒むことができることとしている場合であっても、

令和4年4月1日以降、有期雇用労働者も含めて、この申出を拒むことができることとするときは、

改めて労使協定を締結する必要があります。

(3)就業規則の変更

就業規則に、有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件として「事業主に引き続き雇用された

期間が1年以上である者」であることが記載されている場合は、これを削除する必要があります

(就業規則を変更した場合には、労働者へ周知するとともに、常時10人以上の労働者を使用する

事業場にあっては労働基準監督署へ届け出ることも必要です。)。

健康保険法が改正されました!

 

全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するため、

健康保険法等の改正が行われ、その一部が令和4年1月1日から施行されました。

また、産科医療補償制度の改正に伴い、同日より、出産育児一時金の額等が見直されました。

 

1、傷病手当金の支給期間の通算化

がん治療のために入退院を繰り返すなど、長期間にわたって療養のため休暇を取りながら

働くケースが存在します。このため、治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障が

できるよう、傷病手当金の支給期間が通算化されました。

 

(1)傷病手当金の支給期間

傷病手当金の支給期間は、従来、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、

その支給を始めた日から起算して1年6か月を超えないものとされていましたが、

今回の改正により、その支給を始めた日から通算して1年6か月間とされました。

これにより、支給期間中に途中で就労するなどして、傷病手当金が支給されない期間が

ある場合には、支給開始日から起算して1年6か月を超えても、繰り越して支給されるように

なりました。つまり、同一のケガや病気に関しては、最大で1年6か月分、傷病手当金の支給

受けることができるようになったわけです。

なお、傷病手当金の額は、1日につき、原則として、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の

直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に

相当する金額です。

 

(2)改正の対象となる傷病手当金

令和3年12月31日時点で、支給開始日から起算して1年6か月を経過していない傷病手当金に

ついて、支給期間が通算化されます。つまり、令和2年7月2日以降に支給が開始された

傷病手当金が対象です。

なお、資格喪失後の傷病手当金の継続給付については、従来どおりです。被保険者として

受けることができるはずであった期間において、継続して同一の保険者から給付を受けることが

できますが、「継続」が要件となっていることから、一時的に労務可能となった場合には、

治癒しているか否かを問わず、同一の疾病等により再び労務不能となっても、傷病手当金は

支給されません。

 

2、任意継続被保険者制度の見直し

 

(1)任意継続被保険者の任意の資格喪失

任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が退職した後も選択によって、引き続き最大2年間、

退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。

任意継続被保険者の任意の資格喪失は、これまで認められていませんでしたが、

被保険者の生活実態に応じた加入期間の短縮化を支援する観点から、今回の改正により、

これが認められることとなりました。

任意継続被保険者が、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出た場合には、

その申出が受理された日の属する月の翌月1日に任意継続被保険者の資格を喪失します。

この任意の資格喪失の申出は、原則として、取り消すことができません。

なお、保険料の前納を行った任意継続被保険者についても、任意の資格喪失が可能です。

資格を喪失した場合には、前納した保険料のうち未経過期間に係るものは還付されます。

 

(2)健康保険組合における任意継続被保険者の保険料の算定基礎

任意継続被保険者の保険料の算定基礎(標準報酬月額)は、原則として「資格喪失時の標準報酬月額」

又は「任意継続被保険者が属する保険者の管掌する全被保険者の平均の標準報酬月額」の

いずれか少ない額とされています。

健康保険組合においては、実状に応じて柔軟な制度設計が可能となるよう、今回の改正により、

これらに加え、規約で定めることにより、「資格喪失時の標準報酬月額」又は

「当該健康保険組合における全被保険者の平均標準報酬月額を超え、資格喪失時の

標準報酬月額未満の範囲内において規約で定める額」を当該健康保険組合の任意継続被保険者の

保険料算定基礎とすることが可能となりました。

この範囲内であれば、標準報酬月額を多段階で設定するなど、健康保険組合の裁量により

設定することも可能とされています。

 

3、産科医療補償制度の改正に伴う出産育児一時金の額等の見直し

 

令和4年1月1日以後の出産に係る出産育児一時金及び家族出産育児一時金の支給額が、

従来の40万4,000円から40万8,000円に引き上げられました。

ただし、これは、産科医療補償制度の掛金が1万6,000円から1万2000円に引き下げられたことに

伴う見直しですので、産科医療補償制度の対象となる出産の場合には、従来と同様に、1児につき、

掛金を加算した42万円が支給されます。

 

なお、産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺の子とその家族の経済的負担を

補償する制度であり、出生した子が「補償対象基準」「除外基準」「重症度基準」の全てを

満たす場合に補償対象となります。

このうちの「補償対象基準」が、従来は、「在胎週数32週以上かつ出生体重1,400グラム以上で

あること」又は「在胎週数28週以上かつ低酸素状況を示す所定の要件に該当すること」でしたが、

令和4年1月1日以降は、「在胎週数28週以上であること」のみとなりました。

「除外基準」(先天性や新生児期の要因によらない脳性麻痺であること)及び「重症度基準」

(身体障害者障害程度等級1級又は2級相当の脳性麻痺であること)に変更はありません。