シルバーウィークに、「神保町シアター」でサイレント映画を観ました。
というより私の場合、「聴きました」のほうが正しいでしょうか!?
このサイレント映画にはピアノの生伴奏がついています。
映画伴奏用の楽譜なんてありません。
ピアニストさんは真っ暗闇の中、鍵盤だけに当てられた灯りの中、映像の雰囲気に合わせて即興演奏していくのです。
この日に観た作品は、2時間30分以上ある「若者よ、なぜ泣くか」(昭和5年制作)でした。
途中、休憩があったとは言え、ピアニストさんはひたすら映画と鍵盤を見つめ音楽を作っていきます。
ちょっとした俳優の表情を読み取ってそれにふさわしい音楽を鳴らしたり、場面が明るくなるときには、
明るい音楽を使ったりと、音楽を止めることなく弾いています。
とにかくすごいです!!
こんなことが出来るピアニストは、日本に10人いるかどうかではないでしょうか。
活弁士さんがついているサイレント映画だと内容がもっとわかりやすくなりますが、
この場合ピアノの伴奏が引っ込んだ形になるので、音楽を楽しむなら活弁士さん無しのほうが断然おもしろいです。
サイレント映画の醍醐味は、有声映画では味わえない観る側の創造力がフル活用されるところだと思いました。