12年間の音の旅

 

先月、私の大好きなピアニスト・小山実稚恵さんのコンサートに行ってきました♪

 

2005年の春に、「ピアノで綴るロマンの旅」と題して12年間24回にわたるリサイタルが始まり、

今回はその最終回でした。

 

「12」という数字で思い浮かべるのは干支で、「24」という数字では時刻が連想されますが、

音楽にとってもこの二つの数字は結びつきが深いです。

ピアノの鍵盤を下のドから上のドまで数えると、白黒合わせて12鍵。

長調・短調の種類は、合わせて24調。

12年という歳月をかけて、小山さんならではの色と調性をプログラムしたリサイタルでした。

このリサイタルのすごいところは、24回のプログラム(曲目)が12年前にすべて決まっていたことです。

そしてそれぞれの回のテーマとイメージカラーも決まっていました。

 

2005年第1回の最初の曲を飾ったのは、シューマンのアラベスク。

2017年第24回を締めくくったのは、ベートーヴェンのソナタ第32番。

ハ長調の曲から始まり、24調の音楽の旅を経てハ長調に戻ってきました。(感慨深いです~!)

 

ハ長調は、ピアノの鍵盤で言うと、ドレミの音階を作るのに全部白い鍵盤だけで成り立つ調のことです。

第1回目のイメージカラーは、白。これからいろんな色に変化していく予感を与える無垢な色です。

最終回のイメージカラーはシルバー。「別の世界へ、内側から発する光」の意味があるようです。

テーマは「永遠の時を刻む」でした。

 

こちらが第1回と最終回のポスターです。

 

私のお気に入りは第4回。

イメージカラーは濃青紺。テーマは「幻想と現実」。

ラフマニノフのソナタ第2番第2楽章では、胸に染み入る音楽が伝わり、涙がこぼれました。

 

12年とは、干支が1周するぐらいの年月ですから12年前と同じ環境にいられるわけがありません。

私も途中の1回は、家の事情により行くことができませんでした。

おそらく小山さんにも悲喜こもごもあったかと思いますが、1回も欠けることなく、

いつも素晴らしい音楽を私たちに届け、勇気づけてくださいました。

12年経った今でも、ピアノが大好きな少女のままの小山さんが居らっしゃいます。

 

年2回の「ピアノで綴るロマンの旅」が終わってしまい寂しい限りですが、

来年の6月には、私たちのアンケートよって曲が決まるアンコールの回があります。

ラフマニノフのソナタ第2番が演奏されるといいなぁと、今からとても楽しみです♪

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