労働基準法等の届出等の電子申請と本社一括届出

 

各種の行政手続きについては順次、電子申請が可能となり、利便性の向上が図られています。

労働基準法関係、最低賃金法関係、雇用保険関係、労働保険関係、社会保険関係などの手続きについても

例外ではなく、政府が運営する行政情報のポータルサイト「e-Gov(イーガブ「電子政府の総合窓口」)」から、

電子申請を利用して行うことができるようになっています。

 

1、電子申請により手続きが可能な労働基準法関係の届出

 

電子申請とは、現在紙によって行われている申請や届出などの行政手続を、インターネットを利用して

自宅や会社のパソコンを使って行えるようにするものです。

労働基準法に定められた各種の届出については、次のものを含め、50種類の以上の届出が電子申請により

手続きが可能となっています。

・時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)

・就業規則の届出

・1年単位の変形労働時間制に関する協定届 等

 

2、労働基準法関係の電子申請に関する近年の変更点

 

労働基準法関係の電子申請による手続きについては近年、次のような変更が行われています。

【令和3年4月1日】

電子署名・電子証明書が不要になりました。

【令和5年2月27日】

1年単位の変形労働時間制に関する協定届の本社一括届出が開始されました。

受付印が付いた控えをダウンロードできる手続きが27の届出・申請等に拡充されました。

36協定届のエラーチェック機能が拡充されました。

【令和6年1月4日】

36協定届の新様式が追加されました。

【令和6年2月23日】

1か月単位の変形労働時間制に関する協定届等の本社一括届出が開始されました。

 

3、本社一括届出手続について

 

次の届出については、事業場単位でそれぞれの所管労働基準監督署に届け出る必要がありますが、

次の条件に該当する場合には、本社において各事業場の届出を一括して本社の所轄労働基準監督署に届け出ることが

できます。

また、これらのうち、次の(3)から(6)についての本社一括届出は、電子申請の場合にのみ可能となっています。

 

(1)36協定届

「労働者保険番号」「労働保険番号」「事業の種類」「事業の名称」「事業の所在地(電話番号)」

「労働者数(満18歳以上の者)」及び「協定成立年月日」以外の協定内容が同一であること。

ただし、電子申請の場合に限り、「(労働者側)協定当事者」が事業場ごとに異なっていても本社一括届出が

可能です。

 

(2)就業規則届

①本社で作成された就業規則と各事業場の就業規則の内容が同一であり、かつ、②各事業場分の労働者代表の意見書が

添付されていること。

 

(3)1年単位の変形労働時間制に関する協定届(令和5年2月27日~)、

1箇月単位の変形労働時間制に関する協定届(令和6年2月23日~)、1週間単位の変形労働時間制に関する協定届

「事業の種類」「事業の名称」「事業の所在地(電話番号)」「常時使用する労働者数」

「該当労働者数(満18歳未満の者)」「協定成立年月日」及び「(労働者側)協定当事者」以外の協定内容が

同一であること。

 

(4)事業場外労働に関する協定届

「事業の種類」「事業の名称」「事業の所在地(電話番号)」「該当労働者数」「36協定の届出年月日」

「協定成立年月日」及び「(労働者側)協定当事者」以外の協定内容が同一であること。

 

(5)専門業務型裁量労働制に関する協定届

「労働保険番号」「事業の種類」「事業の名称」「事業の所在地(電話番号)」「該当労働者数」

「時間外労働に関する協定の届出年月日」「協定成立年月日」及び「(労働者側)協定当事者」以外の協定内容が

同一であること。

 

(6)企画業務型裁量労働制に関する決議届

「労働保険番号」「事業の種類」「事業の名称」「事業の所在地(電話番号)」「常時使用する労働者数」

「労働者数」「決議の成立年月日」「時間外労働に関する協定の届出年月日」「委員会の委員数」

「任期を定めて指名された労働者側委員の氏名、任期」「その他委員の氏名」

及び「委員会の委員の半数について任期を定めて指名した労働組合の名称又は過半数代表者の職名及び氏名」

以外の決議内容が同一であること。

なお、これらの届出のほか、企画業務型裁量労働制に関する報告についても、電子申請の場合であって、

所定の条件を満たすときは、本社一括届出(報告)が可能です。

2024年4月2日