「サル界に異変?虐待から子を守る雄も…イクメン文化広がる」
これは、少し前に目にした記事のタイトルです。
野生のサルに餌付けしていることで有名な大分の高崎山自然動物園で、雄ザルが積極的に育児に参加する様子が見られ、サル界にイクメン文化が広がっているというのです。
本来育児には参加しない雄ザルが子ザルの毛づくろいをするなど、母親を亡くした子ザルを献身的に育てたり、母親から虐待を受けていた子ザルをかわいがったりする雄ザルの姿がこの10年ほどで見られるようになったそうです。
記事では、雄ザルが育児に参加するようになった背景にあるものとして「争いの減少による雄の立場の変化」を紹介していました。
高崎山のサルは、以前は寄せ場の滞在時間をめぐって3つの群れが衝突を繰り返していたとのこと。
しかし、1つの群れが消滅すると、寄せ場では残りの2つの群れが午前と午後ですみ分けてくつろぐようになり、争いがなくなったのだそうです。
園の職員の方の解説では「体を張って戦うことがなくなったことで、雄の闘争心が以前より弱くなり、性格も温厚になったのでは」ということでした。
つまり、群れを守るという以前の雄ザルの役割に変化がみられるようになったことで、イクメン文化が広がってきたのではないかと推測しているのです。
さて、日本政府は、2020年までに男性の育児休業取得率を13%に押し上げるとする目標を掲げていますが、厚生労働省が公表している「平成28年度雇用均等基本調査」によれば、現状の男性の育児休業取得率はわずか3.16%です。
ご紹介したサル界のイクメンの記事からも、男性の育児参加を広げていくためには、やはり職場の環境や雰囲気を変えていくことが重要なのではないでしょうか。
これは、男性が育児休業を取得しない理由として、「職場が育児休業を取得しずらい雰囲気だから」を多くあげていることからも分かります。
仕事と育児の両立をはじめとするワーク・ライフ・バランスの実現は、優秀な人材を確保し、定着させるための有効な方策にもなり得ますので、働き方改革の一環として重要な取組みです。
働き方改革に取り組む企業に対しては、様々な助成金の制度もあります。
たとえば、「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」は、男性が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は5日以上)の育児休業を男性が取得した場合、または子の出生前6週間から出生日を含め出生後8週間の間に合計8日以上(中小企業は5日以上)の育児目的休暇を男性が取得した場合に支給対象となります。
ちなみにこの助成金は、従来は育児休業の取得のみが対象でしたが、今年度から育児目的休暇の取得も対象となり、拡充されています。
働き方改革への取組みや助成金制度のご利用についてもぜひご相談くださいね!